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■ Fate <一途/溺愛/俺様攻め/健気受け/身代わり設定>
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- 2008/03/15(Sat) -
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□登場人物
ユリアス......大国イラスーンの若き王。精悍で男前な威風堂堂とした容姿。感情をあまり表に出さない。 籐也................異世界の砂漠へトリップしてしまった元・高校生。 二年間という期間限定で、ハリファ王国の第一王女の身代わりをしている。 ルビー...........稀少価値の高い極濃の大きな『ビジョンブラッドルビー』を首輪に付けている、藤也お気に入りのウサギ。 ファティマ...ユリアスの側近の一人。 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11/ 12 / 13 / 14 / 15 / 16 / 17 / 18 / 19 / 20 / 21/ 22 / 23 / 24 / 25 / 26 / 27 / 28 / 29 / 30 / 31 / 32 / 33 / 34 / 35 / 36 / 37 / 38 / 39 / 40 / 41/ 42 / 43 / 44 / 45 / 46 /47 / 48 / 49……… |
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Fate 1
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- 2008/03/17(Mon) -
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……サラ、サラ……
……サラ、サラ……サラ…… (―――何、この音?) 意識が浮上し始めた耳元で、聞きなれない音がする。 (いや、それよりも……) コクリ、と乾いた俺の喉が鳴る。 「み、水……飲みてぇ」 (駄目だ、暑くって寝てなんか要られない!) だが、起きようと身体に力を入れた時の奇妙な感じに、思わず固まった。 (……えっ?) 無意識に握り締めた掌を広げると、さらさらな砂が指の間から零れ落ちていく。 (う、嘘だろ―――?!) 目に映ったのは、砂、砂、砂……。 陽炎にユラユラと揺れる、何処までも続く砂の海。 そして、雲一つない澄み切った青い空と、燦々と照りつける太陽。 その風景は圧倒的で、それはどう考えても間違えようのない「砂漠」だった。 「マジかよ?!」 (……ってか、ここ……何処よ??) そもそも、なんでこんな所に俺はいるんだ? と考えた瞬間。 甦ったのは、ホームに滑り込んでくる電車の警笛と、鳴り響く急ブレーキを掛ける車輪の轟音。 そして遥か遠くで聞こえる、誰かの「危ないッ」と叫ぶ声と悲鳴……。 思わず、ぎゅっと瞼をきつく閉じた。 俺はこの十七年間というもの、大した風邪も引いたことがない、健康優良児だったんだ。 なのに、学校が終って友達と地下鉄で別れた後、突然激しい頭痛に見舞われて。 ガンガンと、頭が割れるような激痛に、俺はとっさに頭を両手で抱え込んで耐えようとしてたんだ。 そんなところに、後ろから何かが身体にぶつかった。 今思えば、それは鞄だったような気がする。 普通の状態なら大したことにはならない接触も、あの状態では過剰に反応してしまう。 力が入らない俺の身体は、踏ん張ることもできないまま前方に押し出され、……そのまま線路に落ちた。 だから、考えたくはないけれど、きっと俺の身体は電車に引かれてバラバラの状態……なんだと思う。 (―――…ってことは、ここは天国?!) だけど、天国が砂漠なんて、聞いたこともない。 いや、この状況は天国というよりも、 (……むしろ、地獄??) 突き刺さるように痛い強い日差しは、三十分と経たないうちに、身体中の血液が蒸発してしまいそうな感じだし、 唇は乾きでひび割れ、呼吸をする度に乾燥した熱い空気が、俺の喉を苦しめているのだから。 ……それにしても、汗がじわっと出た瞬間に蒸発してしまう暑さは、厳し過ぎる。 どうにかしなければと、なんとか立ち上がろうとした時だった。 遠くの彼方から、何か地響きのような微かな揺れを感じ、後ろを振り返った。 地平線の上に、ゆらゆらと陽炎が揺らめき、その中に黒っぽいシルエットが浮かび上がる。 音と共にその姿が徐々に大きくなってくる頃、それが、馬に跨った七〜八人の男たちだということがわかった。 黙々と砂煙を立てながら、こっちを目掛けて走って来ている。 (やった、助かった―――…) と思ったのは、つかの間で。 頭から黒い布をすっぽり覆った男たちが手にしていたのは、信じられないくらいに大きな剣。 (ヤバイ! 逃げろッ) 俺の頭の中に、警報が鳴り出す。 『ξ×☆γ。Θφ◇δψ※!』 男たちが訳のからない言葉で口々に何か叫んでいる。 捕まったら最後。 下手したら殺されるかもしれないのだ。 「……はっ、はぁ。はぁ……っ」 だが、すでに体力は奪われ、身体は鉛のように重い。 それでも、必死になって走ろうとしたけど、 砂に足が捕らわれて思うように動けずにいる俺の意識は朦朧としはじめ、心臓は悲鳴を上げていた。 (……暑い、暑い。体中暑くて、息が苦しくて、つらい) ああ、これが夢ならどんなに良かっただろうか……。 そう思った数秒後には、周りを取り囲まれ、四方から幾つもの縄が投げ出さられるのを最後に、俺の意識は遠ざかっていった。 〜To be continued〜 |
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Fate 2
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- 2008/03/17(Mon) -
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太陽が西の地平に傾きかけ、日差しが僅かに柔らになりかけている午後……。
とある青年は、持ち前の手入れの行き届いた艶やかな黒い髪をゴージャスなシニヨンに纏め、 美しく整えられた庭に設けられた東屋で、侍女が用意したお茶を嗜んでいた。 美形は美形でも、容姿端麗と一言で括れるレベルを遥かに凌駕してしまう絶世の麗人である。 女性顔負けの肌理の細かい肌。 バランスの整っている鼻筋に艶やかに赤く色づいた唇。 そして貴石のように輝く漆黒の瞳。 長く細い睫毛が艶を帯びていて印象深く、繊細な美貌は目が眩むほどである。 そんな彼の膝の上には、お気に入りのチェストナット色の可愛いミニウサギの「ルビー」が、 あどけない鼻をぴくぴくさせて、ちょこんと座っている。 寂しさを紛らわせるようにと、マディーナ王女からプレゼントされたこのウサギの首には、 ルビーの頂点に立つという、稀少価値の高い極濃の大きな『ビジョンブラッドルビー』の首輪がつけられていたのだが、 それを見て、驚いた彼が「ルビー」と命名したのである。 セシアは思い出したように振り返った。 「痛……ッ」 「如何なされました?」 僅かに顔を顰めた籐也の顔を、侍女のセシアが心配そうな表情で覗き込んだ。 「また、ルビーに指を噛まれちゃった」 ふふふ、と少しはにかむように笑った籐也の顔があまりにも美しくて、見慣れているはずのセシアの視線が思わず固まる。 「……セシア?」 不思議そうな声音で名を呼ばれ、ハッと我に返ったセシア。 「も、申し訳ありません。直ぐにルビーのおやつをご用意して参ります」 慌てたように頭を下げて挨拶し、踵を返そうとした瞬間、 (いけない、私としたことが。大事なことを忘れるところだったわ) 心の中でそう呟きながら、青年に黒いヴェールをかけた。 ―――そう、この俺、小塚籐也の容姿は、誰にも見られてはいけないのである。 何故なら、この世界には、漆黒の髪と瞳の両者を兼ね持つ者は一人として存在しないからだ。 二年前の某日、激しい頭痛に見舞われた俺は、 偶発した不慮の事故に巻き込まれ、信じられないことに、この世界に飛ばされてきたのだ。 トリップ先の砂漠は、温暖気候に慣れた日本人の俺には厳しい場所だった。 体験したことのない乾燥地帯の暑さで参っているところに、盗賊団に襲われてしまった俺は、 その場で意識を失ってしまい、目を覚ましたらハリファという国の第一王女が住む内殿のベッドの上だった、というわけ。 何故そんな場所にいたのかというと、偶然通りかかった人物によって助け出されたらしいからだ。 王女付きの護衛騎士の一人である、命の恩人であるその人は、 俺の姿を誰にも見られないように布で包み、王女の元へ連れて来たという。 そして、彼女にいたく気に入られてしまった俺は、密かに王女の内殿で暮らしているのだ。 匿われるよな生活ではあるが、地位のない俺にはセシアという専属の侍女が宛がわれ、王族と同等な扱いを受けている。 そのため、自分の置かれている生活そのもの自体には不自由や不満はない。 敢えて一つ挙げるとすると、髪を伸ばし、ドレスを着て、女性のような格好をさせられていることである。 〜To be continued〜 |
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Fate 3
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- 2008/03/18(Tue) -
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小国であるハリファ王国は、人口もそれに匹敵して少なく、もちろん軍事力や経済力も大きくはない。
そんな国がこの数百年の間、近隣諸国から侵略されなかったのは、 国を守るために、王家の女性が近隣の他国へ人質同然のような形で輿入れをしてきたからだという。 それは、友好の証であったり、同盟の証であったりするが、名目は何であれ、政略結婚には変わりはない。 戦争回避を目的としたり、経済的支援を得るため、 はたまた、相手の国王の継承権を得るためなどの政治的な目的で他国へ赴かなければならない彼女たちは、 身内以外の人間の接触を制限するために、内殿と呼ばれる王女専用の宮殿で過ごすのだそうだ。 マディーナ王女も例外ではなく、十七歳になれば隣国の花嫁にならなければならないという。 また、王女たちが公式職務などで内殿から出る場合は、 黒いヴェールを頭からすっぽりと被り、容姿をさらさないようにするのも決まり事らしい。 そんなわけで、王女専属の騎士意外の男はいない内殿に住まわさせてもらう以上、有無を言わずに女性の格好をしなければならないのだ。 そして、ただ今の俺は、二年間という期限付きで、 十五歳になるまで宮殿から一歩も出たことのないというマディーナ王女の替え玉をしている最中であったりもする。 ちなみに、現在、彼女は幼馴染だという専属騎士の一人を連れて、異国を旅する冒険中なのである。 そんな彼女の自由時間も残り少なくなり、後数ヶ月で終わりを迎える。 (……それにしても、鬱陶しいよなぁ) 視界を隔てる薄い布は邪魔物でしかなく、二年近く経った今でも、このヴェールは馴染めないでいる。 (これじゃ、可愛いルビーが良く見えないんだよね〜) そう心の中でぼやき、ヴェールを少し掴んだ瞬間、俺の膝の上にいたルビーが飛び降りる。 鎖に繋がれたいなかったルビーは、それこそ嬉しそうにピョンピョン跳ねて、どんどん遠くへ行ってしまう。 (げっ、マジ―――?!) ウサギってそんなに足速かったのかよ、 と一瞬、呆然としてしまった俺だけど、絶対にルビーを見失うわけにはいかないのだ。 何せ、王女のプレゼント……いや、ウサギ自体よりも、あのめちゃめちゃ高そうな宝石を失った、とはさすがに言えない。 全身の血がサーッと引いたように寒くなった俺は、咄嗟にドレスの裾を持ち上げると、ダッシュする。 ちなみに、走りながらシャランシャランと響く鈴の音は、俺の足首に飾られたアンクレットだ……。 「ルビー?」 だが、俺の呼びかけを完璧無視するルビーは、生い茂る草むらを進み、さらに生垣をも越えていく。 (うわぁ、もう最悪―――……) その向こう側の大庭園は、王族のプライベートエリアとはいえ、さすがにマズイと思う。 だけど、悲しいかな。 ありがたくないことに、普段はいない警備の者たちが、ちらほら立っているのだ。 (そうか、今……) イラスーン王国の人たちが視察で宮殿を訪れていることを思い出した俺は、 (どうするよ、俺?!) と、自問自答する間も、動くと鳴ってしまう鈴の音。 (やばい、やばい、絶対やば―――いっっ) 女の子なら、パニックになって泣き出しそうになるくらい、俺の心臓はバクバクしている。 「ルビー、ルビー??」 情けないことに、俺の呼ぶ声も段々弱々しいものになる。 (やっぱ、戻ってセシアに頼んだ方がいいかも……) そう思った時だった。 何処からか、エキゾチックで甘く官能的な香りが風に乗って漂ってきた。 それはとても危険な芳香で、性欲を催させる媚薬のように俺の体が熱を孕んでいく。 「探しているのは、このウサギのことか?」 しゃがみ込み、木々の間の草むらを探す俺の頭上から、頭に浸透する、性的魅力に溢れた声が降る。 (……え?) その声が鼓膜に届くのと同時に俺の心臓が大きく鼓動し、意味不明なまま、 苦しいまでに胸が高鳴ってしまい、思わず声のする方へ顔を上げると、ヴェール越しに美丈夫な男の姿が映った。 しっかりとした骨格と鍛えられた逞しい体躯、そして完璧といっていいほど男性的に整っている美貌。 一瞬にして囚われたのは、深海を連想させる、限りなく深く濃い蒼色の双眼。 その虹彩は、まるで皆既日食のように、放射状に黄金のダイヤモンドリングが輝いているのだ。 初めて見るその美しい瞳に魅せられたように惹きつけられた俺は、その男から視線を外せられないでいる。 ……じっと見つめ過ぎた所為だろうか。 表情を不可思議なものに変えた男が、再び尋ねる。 「違うのか……?」 そうたった一言、尋ねられただけなのに、 その声は身体の芯を甘く痺れさせ、そしてそのままダイレクトに俺の下半身を直撃する。 (な、何なんだよ、これ……) 頭の隅でそう呟きながら、なんとか視線を這わせれば、確かに男の腕の中にいるのは、探しているルビーだった。 「いえ。その、……ウ、サギです」 お礼を言おうと立ち上がり、その男の顔が近くなった途端、俺を淫欲に嗾ける、あの危険な香りが一気に強まる。 〜To be continued〜 |
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Fate 4
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- 2008/03/18(Tue) -
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体中の血液が急速に騒ぎ立ち、自分の意思とは無関係にどんどん追い立てられる。
こんなことは初めてで、パニックを起こしそうになる。 (どうしちゃったんだ、俺の身体……?!) 急速に熱が股間に集中し、下半身から力が抜けて、もう立っていられそうにない。 そんな萎えそうになった俺の腰を、男の強靭な腕が抱き寄せる。 「ゃ……ぁっ」 下半身が密着し、俺の身体がビクリと反応する。 男相手に欲情するなんて自分でも信じられないが、あまりの恥ずかしさに身が震える。 「大丈夫……か?」 そう問う男の声も、欲情に満ちているように聞こえるのは気の所為だろうか。 長い指が俺の頬に向かってゆっくり伸ばされ、そして……ヴェール越しに触れる。 「……は…ぁっ、…ぁ……ゃっ」 たったそれだけなのに物凄く感じてしまい、俺の口から甘い吐息が零れる。 もう、おかしくなりそうだった。 男の美貌が間近になり、ヴェール越しの唇に男の熱い吐息がかかる。 (ああ、このまま……キス…して欲しい―――…) そう思ってしまった刹那。 「「マディーナ様―――!」」 王女のを呼ぶ声に、ハッと我に返った俺。 その方向へ視線を向けると、懸命にこちらに駆け寄るセシアと、本物のマディーナ王女付きの護衛であるアルザスの姿が見えた。 特にアルザスは、今まで見たことがないような鬼気迫るような表情をしている。 「チッ」 俺を抱きかかえている男が、突然、忌々しそうに舌を打つ。 そして、顔を男に戻せば、その男の背後に究竟な男たちが控えていることに初めて気づいた俺。 (ひぇぇ―――…っ。こいつらに、全部見られてたのかよ?!) 男に欲情し、興奮し…… そんな、信じられないような姿を間近で見られていたんだと悟った俺は、一瞬で穴があったら入りたいモードに突入する。 (うわ、まじ恥ずかしい―――…) と、心の中で叫ぶ中、 「マディーナ様、こちらに」 カツカツと靴音を鳴らしながら俺の目前に近づいたアルザスが、ぐいっと少し強引気味に、俺を男から引き離した。 ウサギを探した時に着いたドレスの汚れを見て、勘違いしたのだろう。 ものすごい力で俺の両肩を掴み、 「お怪我は?」 ものすごく焦った顔で聞いてきた。 申し訳なくて、居た堪れなくなった俺は、小さな声で「……ないです」と答えるのが精一杯だった。 そして、異変に気づき、慌てて近寄ろうとした兵士たちに向けて片手を挙げて、 俺に近づくのを制したアルザスは、俺を見下ろして言う。 「内殿からお出になられてはいけないと言うことは、分かっておいでですよね?」 うんうん、と俺は首を縦に振る。 「……ごめんなさい。ルビーを探してたら、こっちに出ちゃって」 すると、微かに歪めた表情のまま、ふぅっと息を吐く。 その後ろで、胸の前で祈るように掌を組んだセシアがはらはらした様子で見つめている。 心配をかけてしまった二人に、ごめんなさい、ともう一度詫びようとした時、 目を細め、剣呑な目つきを露にしたアルザスが動いた。 俺の身体を背中の後ろに隠すように前へ出ると、蒼色の双眼の男と対峙するように向き合う。 〜To be continued〜 |







