<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?><rdf:RDF xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#" xmlns="http://purl.org/rss/1.0/" 
			xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/" 
			xmlns:cc="http://web.resource.org/cc/" xml:lang="ja">
<channel rdf:about="http://karen5.blog71.fc2.com/?xml">
<title>蜂蜜Candy</title>
<link>http://karen5.blog71.fc2.com/</link>
<description>オリジナルBL小説(一部R18)。</description>
<dc:language>ja</dc:language>
<items>
<rdf:Seq>
<rdf:li rdf:resource="http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-100.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-99.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-98.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-97.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-96.html" />
</rdf:Seq>
</items>
</channel>
<item rdf:about="http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-100.html">
<link>http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-100.html</link>
<title>Fate　75</title>
<description> ―――一方、その頃のユリアスは、仕事の一部として後宮を任せている女官長次官・マディーナからの報告を受けていた。「ほぉ。随分と早い動きだな」感心したように、けれど想定通りとでも言うかのように、その眼差しはそこはかとなく冷め切っているように、マディーナには見えた。「陛下、よろしいのですか？中にはイザーク王子とエメリア王女の母君も含まれておりますが……」「構わぬ。本来、夫人たちに望んでいたのは、親子として合
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ ―――一方、その頃のユリアスは、<br />仕事の一部として後宮を任せている女官長次官・マディーナからの報告を受けていた。<br /><br />「ほぉ。随分と早い動きだな」<br /><br />感心したように、けれど想定通りとでも言うかのように、<br />その眼差しはそこはかとなく冷め切っているように、マディーナには見えた。<br /><br />「陛下、よろしいのですか？<br />中にはイザーク王子とエメリア王女の母君も含まれておりますが……」<br /><br />「構わぬ。本来、夫人たちに望んでいたのは、<br />親子として合間見えることの出来なくなる後宮絶ちまでの限りのある短い時間、<br />慈しみ愛で、大切に育ててもらうことだったのだ」<br /><br />“大切にと言っても、甘やかされて育だてられることではない”<br />と言葉を付け加えたユリアスは、呆れたような消沈する溜息をつく。<br /><br />「なのに、実際はどうだ？　<br />己の優越感に浸ることを目的に豪華に着飾り、側室どもと競うことしか頭にない彼女らは、<br />子を全てお付の侍女らに任せっきりにしているばかりか、<br />社交性に欠けようが、栄養過多に育とうが一向に構う兆しすら見せない」<br /><br />冷ややかな口調で吐くユリアスの眉間がぴくりと不快に動き、<br />その双眸が怒りの色を含んでいるのは明らかだった。<br /><br />“そなたも、イザークの様子を知っているであろう？”<br />そう振られて問われたマディーナは、苦々しそうな表情で頷いていた。<br /><br />あれでは到底、将来的にも国を担える状態ではないと、誰の目にも映ろう。<br />そして、エメリアに至っては激しい人見知りとくる。<br />内外問わず、何処ぞに嫁ぐことになるであろう王家の血筋の者が、<br />まともな人付き合いが出来ないようでは困るのである。<br /><br />そう踏まえるユリアスは、八歳で迎えるという後宮絶ちを早め、<br />皇太子と同じくして全ての子を後宮から出すという特例対処を取ったのである。<br />尤もその陰には、例の暗殺未遂事件も大きく関わっているのだが……。<br /><br />兎にも角にも、その特例処置と称するものは子たちに留まらず、<br />見直された後宮制度にも組み込まれていたのである。<br /><br />イラスーン王国の法律に基づく「男児二子」を儲けたユリアスにとっては、<br />その為に宛がわれた後宮は役目を果たしたことになる。<br />歴代の国王らは、変わらずに側室たちの元へ足を通わせ続けていたものの、<br />藤也以外には全く興味を抱かない彼は、<br />意味を成さないと格付けし、後宮を閉じることにしたのである。<br />とは言え、亡国の徒となった側室など、<br />諸事情により行き場のない者もいることから、<br />完全に無くす分けにはいかないのが現状であった。<br /><br />そこで、同盟国への経済的支援等は現状維持することを前提に掲げ、<br />希望者には側室として支給されていた高額な費用の半年分に及ぶ支度金を用意し、<br />祖国へ戻る機会を与えたのである。<br /><br />一部の者たちを除き、そのほとんどが「正妃」になることを望み、<br />今は凍結して機能を完全に停止している元老院が推し進めていた「二名の妃」の座を求め、<br />日々後宮内で争いながら過ごしてきた側室たちを見ていたマディーナは、<br />その野望が途絶えたことに、彼女たちが遣り場を無くすだろうことは、目に見えていた。<br /><br />けれど、その中に王子たちの母親らが含まれていることに、戸惑いを覚えたのである。<br />そんなマディーナにユリアスの言葉は続く。<br /><br />「愛情薄く育てられている子が、<br />それほどに母親を思慕する心など持っているとは思えぬ」<br /><br />“子供は敏感に悟るものだ”そう語るユリアスは推し量る。<br />向けられなかった母親の愛情を、我が正妃となった藤也に求めるであろうと……。　<br />そうでなくとも、万人には全く反応しない特別な香を放ち、<br />我が血族を魅了する、王家の伝説に登場する「蓬莱人」なのだ。<br />惹かれぬ者など有り得ないのである。<br /><br /><br />～To be continued～<br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>Fａtｅ　</dc:subject>
<dc:date>2008-08-11T15:20:27+09:00</dc:date>
<dc:creator>￡花蓮￡</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
<item rdf:about="http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-99.html">
<link>http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-99.html</link>
<title>Fate　74</title>
<description> 出来ることなら、午前の内に一度会って謝っておきたかったと語ったヘレナ王女は、生死を彷徨ったことなど、なかったかのように無邪気にはしゃぐ、ルビーに人参スティックをたらふく食べさせると満足の笑みを浮かべ、午後に備えて自分の居殿へと戻っていった。同じく食事を終えた藤也は、セシアの用意した資料に目を通し終えたところである。「十八歳の若さで、いきなり四人の子持ち。しかも父親ならぬ母親……」そう、信じられないこ
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ 出来ることなら、午前の内に一度会って謝っておきたかったと語ったヘレナ王女は、<br />生死を彷徨ったことなど、なかったかのように無邪気にはしゃぐ、<br />ルビーに人参スティックをたらふく食べさせると満足の笑みを浮かべ、<br />午後に備えて自分の居殿へと戻っていった。<br /><br />同じく食事を終えた藤也は、<br />セシアの用意した資料に目を通し終えたところである。<br /><br />「十八歳の若さで、いきなり四人の子持ち。しかも父親ならぬ母親……」<br /><br />そう、信じられないことに俺は、<br />ユリアスの子供たちであるルキウス皇太子、第二王子のイザーク殿下、<br />そしてヘレナ王女とエメリア王女の計四人の子供の母親……つまり後宮離れし、<br />後宮から出ることの出来ない実母に代わり、育ての母になるわけなのだ。<br />その顔合わせが、これから正居殿の謁見の間で行われるのである。<br />因みに明日から二日間に渡り、<br />一日二回行われるという一般参賀なるものに出るらしい。<br /><br />（俺のお袋なんて、聞いたらびっくりして……絶対腰抜かすってι）<br /><br />二度と戻れない遥か彼方にいる母親を想い、懐かしい姿を思い浮かべると苦笑する。<br />けれど飛ばされたこの世界で、自分の命以上に大切だと思える人と巡り合え、　<br />剰え、その愛しい人の子供たちとも家族になれるのだ。<br />そう考えたら、感動して胸の奥がじーんとしてしまう藤也は、ちょっぴり涙目になってしまう。<br /><br />（ヤバッ。これって何か、お嫁入りする花嫁さんの気持ちみたいじゃん？！）<br /><br />降って湧いた恥ずかしさに、ゴシゴシと目を擦るも、<br />ハーブティをグラスに注いでいるセシアは、その様子には気づかないまま、爆弾発言を落とす。<br /><br />「十年後には、お孫様のお顔が見られるかも知れませんね」<br /><br />「ゲッ！　二十八で俺……おばーさんっ？？　嘘、マジでぇ？！」<br /><br />日本とは異なり、この世界の女の子たちが、<br />早ければ十五歳で嫁ぎ先が決まるということをすっかり忘れていた藤也は、<br />びっくりして、それこそ腰を抜かしかける……いやいや、椅子から滑り落ちそうになった。<br /><br />（ほんと驚くことばかりだよな、この世界って）<br /><br />はぁっ…と溜息をついたものの、<br />前髪を掻き上げながら仄かな幸せに浸る彼は、気を取り直すと椅子に座り直す。<br />そうして冷たく冷えたハーブティーで喉を潤した藤也の視線は再び、<br />テーブルに置いた上の子供たちの資料へと注がれていた。<br /><br />「ルキウスとヘレナは良いとして……。問題はイザーク王子とエメリア王女だよな」<br /><br />少し困ったような表情で頬杖をついたのには分けがあった。<br />イザーク王子は、高価なものばかり食べる母親の影響の所為か栄養が偏り、<br />超がつくほどの偏食者らしいのだ。<br />しかも、時々原因不明な呼吸困難を起こすらしく、担当の医師たちも困惑しているらしい。<br />そしてエメリア王女の方は、これまた超がつくほどの人見知りなのだという。<br /><br />「実の父親にさえ人見知りするんじゃ、俺なんて完璧ダメじゃんι」<br /><br />口を尖らせてぼやきを見せる藤也は、<br />前途多難な問題に頭を悩ましながらも、時間は刻々と過ぎていく。<br /><br />華美でなく、子供たちとの顔合わせに相応しい清楚で温かみを与えるドレスに着替えると、<br />今までの黒くて厚いものではなく、<br />豪華なレースを淵にあしらえた白いヴェールが頭上に掛けられる。<br />女官長曰く、王城内に限り白いものでいいらしい。<br />とは言うものの、これでもかという程のドレープ仕様である。<br />顔の前面にも襞が贅沢なまでにも重なり合う為に視界も甚だしく悪く、<br />間近かに寄った者でなければはっきりと容姿を伺い知ることはできないだろう。<br /><br />それでも、ヴェールを被ること自体が珍しいとされるこのイラスーンでは、<br />薄絹で顔を隠す藤也の出で立ちは神聖な雰囲気を醸し出し、幸か不幸か、<br />その纏う清らかで尊いオーラが彼の美貌を一段と相乗させる効果に拍車を掛けている。<br /><br />その美しい装いで静々と中央の赤い絨毯を進むように見える姿に恍惚とし、<br />うっとりと見つめてしまう居殿内に勤める多くの女官たちは、<br /><br />（このヴェール、意外と見えにくいし、こけたら……洒落になんないよな）<br /><br />と、彼女たちが想像する高貴なお方とは程遠く、<br />二年経った今でも、鬱陶しいものでしかないと愚痴を零す藤也が、<br />ドレスの裾を踏んで転ばないようにと必至になっていることを知らないのである。<br /><br />そして何より、<br />そもそも子供たちに会うというのに、ヴェールを付けること自体変だと考える彼自身も、<br />ユリアスが藤也の容姿を極力誰の目にも触れさせたくないと思っていようなどとは、<br />知る由もないのだった。<br /><br /><br />～To be continued～<br /><br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>Fａtｅ　</dc:subject>
<dc:date>2008-08-07T20:07:56+09:00</dc:date>
<dc:creator>￡花蓮￡</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
<item rdf:about="http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-98.html">
<link>http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-98.html</link>
<title>Fate　73</title>
<description> 寝起きでまだ少しぼーっとしている頭の藤也でも直ぐに気が付くほど、いつも明るくお茶目な様子とは一変していた。目の中へ入れても痛くないほどに愛らしいと思う顔が、苦しそうに歪められているのだ。只事ではないと悟り、口を開こうとするや否や、「……ご、ごめんなさい」突然、大粒の涙を零しながら謝られて、何のことだかさっぱりな藤也は、（え゛、えぇッ？！）「ちょ…、何？　どうしたの？　な、何があったの？！」慌てふため
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ 寝起きでまだ少しぼーっとしている頭の藤也でも直ぐに気が付くほど、<br />いつも明るくお茶目な様子とは一変していた。<br />目の中へ入れても痛くないほどに愛らしいと思う顔が、苦しそうに歪められているのだ。<br />只事ではないと悟り、口を開こうとするや否や、<br /><br />「……ご、ごめんなさい」<br /><br />突然、大粒の涙を零しながら謝られて、何のことだかさっぱりな藤也は、<br /><br />（え゛、えぇッ？！）<br /><br />「ちょ…、何？　どうしたの？　な、何があったの？！」<br /><br />慌てふためき、側にいるセシアに訊ねたものの、<br />彼女も杳として知れず、不可思議そうに眉を寄せている。<br /><br />「わらわの所為で、ﾋ…ｸっ。<br />レヴィ母(かー)さまの大切なルビーに、酷い目を遭わせてしもうた……」<br />　<br />そう言われて、何だ、ルビーのことかと安堵した藤也は、ほっと安堵の溜息をついた。<br />けれどその次の瞬間、<br /><br />（レヴィ母さまの、レヴィ母さまの、レヴィ母さまの……）<br /><br />木霊するかのように、<br />頭の中でリフレーンする“レヴィ母さま”というその聞きなれない、<br />馴染みの全くない言葉が彼の身体を硬直させていた。<br />　<br />確かに自分の名は改名され、<br />“藤也・アズ・マディーナ=レヴィダヤジード・イラスーン”<br />という舌を噛むような長ったらしい名前になったのだ。<br />王女の言うレヴィとは、<br />正妃という意味のレヴィダヤジードを短くしたものでないかと伺えるものの、　<br /><br />（……母さま、って何？？　俺のこと？？）<br /><br />いきなりの、母さま発言に動揺する藤也は、<br />円らな眼をパタパタと瞬かせ、独り逡巡させていた。<br /><br />寝所の外で控えている担当の女官たちは、<br />唐突なまでに嗚咽を漏らして泣き止まない王女と、<br />見事に固まってしまっている王妃の只ならぬ様子に顔色を青くさせ、<br />どうしたものかとオタオタとざわめき出している。<br />困ったセシアは堪らずに声を掛けた。<br /><br />「マディーナ様？」<br /><br />名を呼ばれてハッと我に返った彼は、<br />いけない、ぼーっとしてる場合じゃなかったんだ、<br />と気を持ち直すとヘレナに向かって微笑み、<br />寝台の上を軽く叩いて、此処へおいでと手招きをしてみた。<br />けれど、王女は顔をフルフルと横に振るうと、<br /><br />「レヴィ母さまの、ﾋ…ｸっ。寝台の周りは、父上だけのものなのじゃ。<br />わらわは、近づけぬ……」<br /><br />そう言われて、またまた目を真ん丸くさせて驚かさせれた藤也は、<br />そういう決まりごとみたいなものがあるのか、と苦笑するも、<br />王女が自分に近づけないのなら、と寝台から腰を上げるのだった。<br /><br />そうして戦慄かせる小さな王女の傍らに寄るとそっと抱きしめ、<br />ユリアスが自分にしてくれた時のように彼女の背中を優しく擦り続けた。　 <br /><br />どうやらユリアスは、ヘレナが理解できる範囲内で、<br />彼女の母であるヒルダ夫人就きの侍女が仕出かした皇太子の暗殺未遂や、<br />毒入りの菓子の件を話していたらしい。<br /> <br />この手の話題性に飛んだスキャンダラスな事件は、<br />いくら口外するなと口止めをしたところで、<br />何処からとなく漏れ広がる可能性は十分にあると踏んだのだろう。<br />噂となって聞き知るよりも、先に自分の口で伝えるべきだと思うのは当然である。  <br /><br />「ヘレナは悪くないよ。全然悪くないんだからね」<br /><br />知らなかったとはいえ、藤也の元へ毒菓子を運んでしまい、<br />結果的には藤也ではなく、つまみ食いしたルビーが一時生死を彷徨ったのだが、<br />それを自分の所為だと言って泣き続けていた王女の涙も、やっと止まる頃、<br />藤也の空いたお腹が、ぐぅぅ～と鳴る。 <br /><br />（うひゃ、格好悪過ぎ――！　もう何でこんな時に鳴るんだよッ//） <br /><br />けれど、さっきまで鳴いていた烏がもう笑ったとはよく言ったもので、<br />ぶうたれる藤也を見上げる王女は顔を真っ赤にさせ、<br />クスクスと漏れてしまう笑い声を、それでも必至に堪えようとしている。<br />その可愛さと言ったら……。 <br /><br />お腹を鳴らしている自分のことはすっかりと棚の上に置き、<br />愛らしくて思わずギュウぅと抱きしめてしまう藤也は、<br />こうやって可愛い王女様を遠慮なく抱きしめられるんなら、<br />“レヴィ母さま”と呼ばれようが、何と呼ばれようが全然いいや、と思うのであった。<br /><br /><br />～To be continued～<br /><br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>Fａtｅ　</dc:subject>
<dc:date>2008-08-05T17:48:12+09:00</dc:date>
<dc:creator>￡花蓮￡</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
<item rdf:about="http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-97.html">
<link>http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-97.html</link>
<title>Fate　72</title>
<description> いつの間にか、深い眠りに落ちていた藤也は、ユリアスの計らいにより、数時間の間、夢の世界に旅立っていた。その甲斐もあってか、身体の疲れが幾分良くなった彼は、上機嫌で夜会に繰り出したのだった。アルザスたちに再開できた喜びはもちろん、自分の居殿に勤める、いわば身内ともいえる人たちに、正妃になったことを祝ってもらえるという祝宴に、舞い上がらない方がおかしいのだ。しかも、ひっそりと生活していた藤也には、全く
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ いつの間にか、深い眠りに落ちていた藤也は、<br />ユリアスの計らいにより、数時間の間、夢の世界に旅立っていた。<br /><br />その甲斐もあってか、身体の疲れが幾分良くなった彼は、<br />上機嫌で夜会に繰り出したのだった。<br /><br />アルザスたちに再開できた喜びはもちろん、<br />自分の居殿に勤める、いわば身内ともいえる人たちに、<br />正妃になったことを祝ってもらえるという祝宴に、舞い上がらない方がおかしいのだ。<br />しかも、ひっそりと生活していた藤也には、全く無縁なことであり、<br />初めての宴デビューに浮かれ、ちょっぴり破目を外してしまった彼は、<br />わずか三十分という短い時間で、再び寝台の上の住人と化していた。<br /><br />顔を真っ赤にし、ハァハァと荒い息を付く藤也は、<br />何を隠そう、たった一杯の果実酒でものの見事に酔っ払ってしまったのである。<br />地球歴で言えば未成年である十八歳も、この世界では歴とした大人に相当するわけで、<br />一旦飲めないと断ったものの、軽いものですからと勧められた彼は、<br />お祝いにと用意してくれたという自家製の果実酒を頂いてしまったのだ。<br /><br />「大丈夫ですか？　直ぐに薬湯をお持ちいたしますわ」<br /><br />キャッキャッと箸が転がっても笑える状態で気分が昂ぶり、<br />大はしゃぎする藤也は、トロンとした目をウサギのルビーに向けると、<br />ラブリ～とか、分けの分からない言葉を口にしながら、<br />ヒクヒクヒさらているその鼻先を指先でつんつんと突いたりして弄んでいる。<br /><br />一瞬目を離してしまったことを激しく後悔し、<br />くらくらと目を回して倒れこんだ藤也を心配しながら居室に連れ帰ったセシアは、<br />髭を引っ張られたり、耳を掴まれたりと、<br />ルビーにとっても迷惑極まりない行為をされているのだろうとは思うものの、<br />絡んでいる空きに、酔い覚ましの薬を取りに行こうとする。<br /><br />「んん、いらな～い。もう直っちゃったしぃ」<br /><br />薬湯が苦いということを知ってか知らずか、呂律の回らない藤也は、<br />頭をブンブンと振った拍子の勢いに乗ったまま、寝台にパタリと倒れ込むほど、<br />まだかなり酔っている状態である。<br /><br />「だからぁ、酔ってらいてばー」<br /><br />薬湯の器を持って現れたセシアにそう言いながら、<br /><br />「１＋１は……えぇ～と、１がふたつぅ？　ほら、酔ってらいおー」<br /><br />楽しそうにケタケタと笑う藤也は、<br />苦い薬湯を先ほどの甘くて美味しい果実酒のお代わりだと唆され、<br />香りすら分からなくなっているらしく、一口飲み込むも、<br /><br />「うげぇ、超にっがーーいぃ！　セシアの嘘つきぃー」<br /><br />目に薄っすらと涙を浮かべ、思いっきり渋い顔を呈したまま、<br />やっと意識を手放して眠った彼は、おそらく今夜のことは覚えてはいないだろう。<br />何故かと言えば、<br />以前、ユリアスがブランデー入りのチョコレートボンボンを差し入れたことがあるのだが、<br />それを食した際にも、同じように酔っ払って目を回したのだ。<br />しかも、一度に大量のチョコを召し上がった所為か、鼻血まで垂らしていたのだ……。<br />そんな藤也が目を覚ました時、彼の頭の中からは、<br />美味しかったチョコレートを食べたこと以外の全ての記憶がすっ飛んでいたのである。<br /><br />二週間後に祝宴の儀を控えた今、その経緯を唯一知るユリアスは、<br />人前では絶対に飲ませることはしないだろうとは思いつつ、<br />それでも避けられず、執拗に迫られることがあるかも知れないのだ。<br />今から慣らせば、少しくらいなら酔わずに嗜めるようになるのではと思うセシアは、<br />茶さじ一杯ほどの食前酒を用意するべきかどうか、真剣に悩むのであった。<br /><br />　　　　　◇　　　　　◇　　　　　◇<br /><br />―――その翌日、カーテンの隙間からこもれる陽の眩しさと、<br />遠くの方で遠慮がちに潜めて会話する声が鼓膜に届き、彷徨っていた意識が浮上する。 <br /><br />暫く横になったまま、いつもと感触の違う精巧かつ豪勢な、<br />それでもって煩わしさを微塵にも感じさせない刺繍細工の寝具と、<br />見慣れない華麗な天井をぼんやりと見つめていた藤也は、<br />気怠そうに前髪を掻きあげた。<br /><br />「……セシア？　誰か、居るの？」<br /><br />独り言でも呟くような小さな声で口を開くと、<br />時を移さずしてセシアが寝台の近場へ足早に歩み寄る。<br /><br />「申し訳ございません。まだお休みなられていると申し上げたのですが、<br />遠くから様子を見るだけだと仰られましたので……」<br /><br />そう少し困ったような表情で話す、<br />彼女の後方にゆっくりと流れるような動作で視線を向けた刹那。<br />視界に捕らえた数メートル先に佇む小さな存在に、<br />藤也の眼は、思わず大きく見開かさせられるのだった。<br /><br />くるくるの巻き毛をして、<br />まるでお人形の様に可愛いらしい出で立ちの彼女は、<br />ウサギのルビー見たさに、後宮内のマディーナの私室の窓枠によじ登ったという、<br />やんちゃな経歴を持つ……第一王女のヘレナである。<br /><br /><br />～To be continued～<br /><br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>Fａtｅ　</dc:subject>
<dc:date>2008-08-02T09:29:15+09:00</dc:date>
<dc:creator>￡花蓮￡</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
<item rdf:about="http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-96.html">
<link>http://karen5.blog71.fc2.com/blog-entry-96.html</link>
<title>Fate　71</title>
<description> 的確なまでに信者を次々と増やしていく藤也を見つめ、はぁ…っと珍しくも憂鬱な溜め息を漏らしたユリアスには、ここ数日ずっと頭を悩ましていることがあった。それは二週間後に控えた、祝宴の儀に関することである。本来ならば正式な手順を踏み、一月の清めの儀の後、三日掛けて婚儀の儀式を執り行い、国中が祝福に明け暮れるはずなのだが、既にイラスーンの信仰する太陽神アラヤを祭る神殿で儀式を済ませているのである。けれど、
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ 的確なまでに信者を次々と増やしていく藤也を見つめ、<br />はぁ…っと珍しくも憂鬱な溜め息を漏らしたユリアスには、<br />ここ数日ずっと頭を悩ましていることがあった。<br /><br />それは二週間後に控えた、祝宴の儀に関することである。<br />本来ならば正式な手順を踏み、一月の清めの儀の後、<br />三日掛けて婚儀の儀式を執り行い、国中が祝福に明け暮れるはずなのだが、<br />既にイラスーンの信仰する太陽神アラヤを祭る神殿で儀式を済ませているのである。<br />けれど、婚儀の祝賀に各国から訪れる使者と会さないわけにはいかないのだ。<br />その為に祝宴の儀が開かれるのだが、<br />何分、この世界には黒い髪はもちろん、黒い瞳を持つ者が居ないのである。<br /><br />唯でさえ、藤也の絹のような艶やかな漆黒の髪と、<br />キラキラと輝く珍しい瞳には視線が集まるというのに、<br />息をするのを忘れてしまうほど、その素顔がとても綺麗であるから厄介なのだ。<br />無自覚な彼が意図せずに微笑むだけで、<br />老若男女問わず、その美しい笑みに魅せられてしまうのである。<br /><br />そんな彼の魔性ともいえる容姿は、例え近親であろうと、<br />嫁入りするまではその容姿は誰にも見せてはならないというハリファ王国の風習により、<br />常に被っていた黒く厚いヴェールで隠され続けていたわけだが、<br />姿を隠すほどの色濃いヴェールとは無縁なイラスーンでは、通用しないのだ。<br />その為、後宮入りする際には、顔にひどい傷があるというお触れを出すことにより、<br />黒いヴェール被り続けるという理由を取り付け、凌いできたのである。<br />ユリアスがそれほどまでにして藤也の容姿を隠したいのは、<br />トラブルに巻き込まれないようにと、彼の身の保身を考えていることと、<br />出来ることなら誰の目にも触れさせず、<br />そしてその黒い瞳に映るのは自分だけでいいのだ、<br />というユリアスの強い独占欲からとである。<br /><br />そこで今問題に上がっているのは、<br />祝賀で着る藤也のドレスをどうするか、ということである。<br />正確には、このままヴェールを被リ続けるか、取って姿を見せるか、なのだが。<br />側近の間でも、素顔を隠すのは失礼に値するという意見と、<br />姿を晒すことにより波乱を招く危険性があると唱える、<br />正反対の意見が真っ二つに分かれている状態なのである。<br /><br />いつまでも、答えを先に延ばすことは出来ない問題に浸り、<br />ひっそりと溜息を付くユリアスは、<br /><br />「ふぅ……」<br /><br />間近で自分と同じように溜息を吐き出した藤也に気づいた。<br />身体の疲れと、余計な神経を使った気疲れが重なっているのだろう。<br />かなり眠そうな様子である。<br /><br />寝台に腰を下ろしたまま、<br />自分の肩に凭れかかるようにして座っていた藤也を抱き上げたユリアスは、<br />大切な物を置くようにそっと寝台の上へ下ろす。<br /><br />「……ん。ユリ……アス？」<br /><br />身体がだるく、いつの間にかうとうととまどろみの中に片脚を入れている藤也は、<br />横にされてしまうと、直ぐにでも夢の中に飛び立ってしまいそうなほどの、<br />強い眠気に見舞われていた。<br /><br />無理に起き上がろうとする藤也の上体をやんわりと静止させ、<br />押し留めたユリアスは、手に取った薄いタオルケットを上から掛けると、<br />睡魔で気が虚ろな彼の耳元で囁く。<br /><br />「今宵、そなたの居殿勤めの者たちによる祝いの夜会が開かれる……」<br /><br />それまでの間、休むがよい、という言葉を述べる間もなく、<br />柔らかな寝具にゆったりと身を沈めていた藤也の口元からは、<br />スースーと安らかな寝息が零れ出していた。<br /><br />甘く甘く、蕩けるように優しく顔を綻ばせたユリアスは、 <br />労わるような、触れるだけの口付けを仄かに赤く色づく唇に落とし、<br /><br />「……お休み」 <br /><br />そう届かない言葉を残すと、細々とした執務を任せっきりにしていた、<br />義兄である宰相のムスタファの元へと向かうべく、藤也の居室を慌しく辞したのだった。<br /><br />そして国王陛下が正妃を迎えたということは、次の日には国中の知るところとなった。   <br /><br /><br />～To be continued～<br /><br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>Fａtｅ　</dc:subject>
<dc:date>2008-08-01T13:46:14+09:00</dc:date>
<dc:creator>￡花蓮￡</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
</rdf:RDF>