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Fate 10
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- 2008/03/22(Sat) -
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「あれが、蓬莱人だからだ」
「「蓬莱人??」」 聞きなれないその言葉に、物事にあまり動じないイスファンでさえ、目を見開いている。 「……おそらくな」 ……そういえば、昔。 王家に使えていた曽祖父が、退屈しのぎに話してくれた話の中に、 蓬莱人が出てきたものがあったな、 とどこか懐かしく感じながらファティマは、耳を傾けていた。 最も、幼い時分だった所為か、そこはかとなくしか思い出せないのだが。 確かにあれは、蓬莱人の話だった。 「そうは言っても、私も始めて逢ったのだ」 まだ、確証は持てない、とユリウスは言葉を付け加えた。 ―――イラスーンの王家には、古くから言い伝えられていることがある。 王族の血肉は、特定の者にだけ反応し、 特定の者にだけ反応する特殊な成分を生み出すというのだ。 その“特定の者”とは、 異なる世界からこの地に降り立ち、 幸運を呼び寄せるという“蓬莱人”を指す。 そして、誰をも魅了するという彼の者を得た者は、その身も心も満たされ、 同時に周りをも幸せにする……と言うものだ。 だが、渡来するのが数百年に一度あるかないかとう頻度からすると、 余程の強運の持ち主でない限り、出会う確立は限りなく0に近いだろう。 仮に蓬莱人が渡来していたとしても、この広い世界、見つけることすら困難のはずだ。 もっとも、 真に受けて探そうとするほど王家は暇ではないし、実際に探したというものはいないらしい。 ……と、まぁ、なんとも空想的な話ではある。 ユリアス自身も、釈然としないのだろう。 「だからこそ、確かめたい」 そう言った彼の表情は、嬉々としている。 ユリアスが、物事に関心がない、とか執着心が薄い、とか言われ続けてきたのは、 彼が幼い時から恵まれた環境にいたからなのだ、とファティマは考えている。 物を持ち過ぎている彼には、欲望という感情が人よりも薄いのだ。 常に必要なものは揃い、たとえ無くとも、彼の人望で物事は必然と集まってくる。 だから彼には、物事にこだわる必要などなかったのである。 そんなユリアスが、初めて執着を見せているのだ。 伝説的な存在であった“蓬莱人”は、唯一、彼が手に入れないものだったからなのだろう。 しかも、聞けば男だという。 ユリアス曰く、 「抱き寄せて身体が密着した時に、 興奮しかかっていた、あの者の欲望が下半身に触れていた」 のだそうだ。 マディーナ王女の行方を調べさせろ、と命じたユリアスは、蠱惑的な笑みを浮かべ、 「替え玉をしていた本人に、直接聞いた方が手っ取り早いな」 と、呟いている。 ―――今宵は、楽しくなりそうだ、とファティマは思う。 〜To be continued〜 |
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