Fate 61
- 2008/06/27(Fri) -
果てることのない欲望に困惑しながらも、
尽きぬ、激しい情事を一先ず終えたユリアスは、
ぐったりと弛緩して横たわる甘美な身体をしばらくを抱きしめながら、
その額から瞼、唇や首筋に……やさしいキスを降らせていた。

けれど、いつまでもそうして甘い余韻に浸っていたい自身に溜息をつくと
ゆっくりと上体を起こしたユリアスは、
倦怠感に見舞われ、微睡の中にいる藤也を抱き上げたのだった。


寝室の隣に設けられている、
狭いながらも観葉植物などが置かれた白い大理石の浴室は、
吹き抜けの構造になっている。

やさしい月明かりが届くその空間は、心が休まる場所でもあり、
まるでプラネタリウムを見ているかのような、
夜空に浮かぶ数多に輝く満天の星々を見上げながらの入浴は、
藤也のお気に入りの一つでもあった。

(―――熱い……)

そう心の中で呟く、
身体の奥を嬲り続ける熱が収まりを見せずにいる藤也の唇に、
柔らかなものが触れた刹那、冷たい水が流れ込んでくる。

官能の喜びに、艶かしい声を上げ続けた所為だろうか。
カラカラに乾き切っている喉は、与えられたものだけでは足りず、
もっともっと、と訴えるようにユリアスの唇に武者振りついていた。

「まだ、欲しいか?」

そう囁いたユリアスは手にしたグラスを呷ると、
半ば意識を朦朧としている藤也の答えを待たずに、再び唇を塞いだ。

―――そうして、渇きの飢えが満たされ始める頃。

天窓から零れる月の明かりに照らされ、
妖艶な雰囲気を醸し出す藤也の舌先は激しく吸われ、
まるで食べつくさんとばかりに動き回る傍若無人な舌になぞられ、絡め取られていた。

無意識にユリアスの背にしがみつき、
深く濃厚な口づけに、鼻にかかる甘い吐息を漏らしながら、
熱くて甘い、そして激しいキスに酔いしれている口元から唇が離れていくと、

「あ……」

喪失感に、名残り惜しむ吐息が零れ落ちた。

ゆっくりと輪郭をなぞるように動かされた、
互いの交じり合った唾液の密で妖しく輝く唇を拭い取ったユリアスの指先が、
浴湯で濡れた、藤也の木目細かい素肌の上を滑らせて下りていく。

そして双丘に隠れる秘孔に触れた刹那、ビクッと背中が反り、

「……ゃ、いやぁ」

そう拒絶とも取れる柔い声音が藤也の口から漏れるものの、
緩みを見せる窄まりは難なく指を受け入れていた。

秘奥に挿入された長い指の間が広げられ、

(あぁ、うそ! お湯が……入ってきちゃう)

やだやだ、と慌てふためき、
体内に流れ込む低めのお湯の違和感に、藤也が抵抗を見せる。

「暴れるな。全部出さないと、後でつらいぞ」

鼓膜に届いたその言葉にカァ…ッ、と一瞬で顔が熱くなる。
確かにその指の動きは、
ユリアスが迸ったモノを掻き出す仕種で、決して淫猥なものではなかった。
けれど先程まで猛々しくそそり立った漲る太い楔で、荒々しく激しいまでに突かれ、
快感を得た藤也のの最奥は、そんな動きにさえ敏感に反応し、
意思とは反対に勝手に蠢いてしまうのだ。

「……ぁ……あぁっ、はぁ……っ」

腰が自然に揺れ、
厭らしくユリアスの指を締めつけているのが自分でもわかる藤也は、
顔を顰め、首を振って耐えようとするが、
沸き起こる甘美な欲望に駆られた衝動には勝てそうにもない。
熟れた秘奥は、貪欲なまでに今すぐにでも繋がりたいと、節度なく訴え続けているのだ。
 
「っも、もう……いいっっ」
堪らずに、上擦った声で叫ぶ。
 
「駄目だ、まだ残っている…」
官能的な低く響く声が耳元で囁かれ、
ゾクゾクと駆け上がる興奮に、内部を掻き乱す指をきゅっと締めつけてしまう。

「あ…ぁうっ! いやぁ、助け…て……」

(―――はやく……欲しい。欲しくて堪らない……)

じんじんと疼く身体の熱を持て余し、

「ほ、欲……しい……」

どうにも我慢できなくなり、身をくねらせながらそう訴える。
すると、何故か藤也を前にすると扇情させられ、  
自分でも呆れるほど歯止めの効かぬ欲情に追い立てられてしまうユリアスは、
不足を満たそうと強く求める双眸を妖しく光らせ、婀娜っぽく微笑んだ。


〜To be continued〜
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